
お米が売り切れで買えない!?米の値段が高い!?
最近そのような報道を多く見かけますよね。
コメ不足の本当の理由は「政府の減反政策」です。
減反政策(げんたんせいさく)とは何なのか?
どこよりもわかりやすく解説します。
減反政策(げんたんせいさく)とは・・・
減反政策とは、
「日本の農家全体では、本当はもっと米をたくさん作れるけど、
政府の指示で、あえて米を作る量を減らすようにしてきた。」
というものです。


なぜ、米を作る量を減らしたの?
① 日本人が米を食べる量は1962年以降ずっと減っている
② 食べる量が減っているので、米を作りすぎると米が余ってしまう
③ 米が余ると米の値段が下がって農家が経営できなくなる
④ 米は日本の重要産業なので、経営できない農家が増えると日本国がピンチ
⑤ 政府が農家に米を作る量を減らすように指示(減反政策)
⑥ 農家は米を作る量を減らして売上が下がる代わりに政府が農家に補助金を出す(減反政策)
⑦ その結果、米の生産量が減ってしまった
日本人が米を食べる量が減っている
農林水産省の公式サイトによると、
日本人が米を食べる量は、1962年度をピークに減少しています。
ピーク時は1人がお米を年間に食べる量は118.3キロもありましたが、
2022年には年間50.9キロまで減少しました。
(出典:農林水産省公式サイト https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1808/01.html)
米を食べる量が減った主な要因は、
食生活が多様化して、米の他にも色々な食べ物が普及したためです。
特に、パンを食べる量が増えたことは大きな原因です。
総務省の家計調査によると、世帯ごとの消費額では、
2013年以降は、米よりもパンのほうが多くなっています。
(出典:総務省「家計調査」)
米が余ると米の値段が下がって農家が経営できなくなる
米があまると、安い値段でしか米が売れなくなります。
例えば、1万6000円かけて作った米が、1万2000円でしか売れなければ
農家は4000円の赤字になります。
たくさん売れば売るほど赤字が大きくなり経営できなくなります。

2014年には米の暴落が起きて、米が値下がり、農家が苦しくなりました。
2014年当時 宮崎県西都市の資料
「米価暴落に対する政府の緊急対策を求める意見書」から一部引用
2014年産米の生産者米価が暴落し、コスト割れの低水準になっている。
稲作農家が他産業並みの労賃を得て米作りをするには、農水省の調査によると、
平均で玄米60キロ1万6000円が必要とされている。
しかし2014年産米は、農協や業者の取引価格が、前年を2000円も下回り、
コシヒカリ60キロ玄米一等価格が1万円台と暴落している。
(出典:宮崎県西都市公式サイト:https://www.city.saito.lg.jp/pdf/H261217beikabouraku.pdf)
政府が農家に米を作る量を減らすように指示(減反政策)
政府は、農家に米を作る量を減らすように指示して、
農家の米の売上が下がる代わりに、政府が農家に補助金を出すという、
減反政策(げんたんせいさく)を行いました。
(引用:https://k-koumin.com/index.php/2023/09/21/seikei42/)
減反政策は、1970年から開始され、2018年に廃止されました。
減反政策が廃止された理由は、
① 米の生産を少なくしてきたせいで日本全体の農家の生産能力が低下
② 海外の安い輸入米との競争に勝てなくなり、逆に日本の米産業がピンチになった
という何とも皮肉な理由です。
減反政策で米の生産量が減ってしまい米不足に!?
減反政策により、農家が米を生産する量を減らしただけでなく、
農家をやめて他の職業に転職した人々も多くいました。
その結果、日本の米生産量は大幅に減少。
- 来日する外国人が増加して米をたくさん食べる
- 異常気象で米の生産量がさらに減少
そもそも減反政策で米の生産量が減少していたので、
このようなちょっとした理由で、米が一気に足りなくなりました。

いつまで米不足が続くのか?
という疑問についてはメディアによっていろいろな回答があるようですが、
多くは、2024年の10月以降に少しずつ米がお店に復活するようです。




